まっすぐ家に帰るのも何だし、ちょっと校舎内を
ぶらついていこう。
 もし葉月がなんか用事があるのなら、見つけるだ
ろうしな。

 ぶらりと教室を出て、日当たりのよい窓辺にだら
りと背をもたれる。
 こうしていると、他の生徒達が、部活だなんだと
楽しそうにしゃべる声が、よく聞こえてくる。
 なんだかんだいって、そんなざわめきの中に身を
任せるのは気持ちのいいものだ。

 小鳥達は楽しそうにさえずり、さわやかにそよぐ
風は、どこからともなく大きな雲の固まりを運んで
来て、そして去っていく。遠くの特別教室棟からは
乾いた破裂音が響き渡り……。

 ……破裂音?
 おいおい。

いつものことだ。無視するに限る
今度はなにが起こったんだ?