この学校ではいつものことだ。無視するに限る。
なんつっても、葉月自慢の双子の妹が、その天才
的頭脳を駆使して日々なんかの研究にいそしんでい
る。
へたに顔を突っ込むと、なんかとてつもないこと
に巻き込まれてしまいそうだ。
他の生徒の大半も、俺と同じようにきれいに流し
てしまっている。
「ぬぬっ、今度は一体全体なにが起こったんだ!?
音の発生源はどっちだ? 右か左か、左か右か!?
ええーいっ、きっとむこうの方に違いあるまい!」
遥か遠くの教室から竹田の叫び声とともに、廊下
を走りぬけるぱたぱたと言う足音が聞こえた。
……ま、竹田のようなお祭り男は別として、って
ことだな。
さて、今日はもう帰りますか。
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