「ぬぬっ、今度は一体全体なにが起こったんだ!? 音の発生源はどっちだ? 右か左か、左か右か!? ええーいっ、きっとむこうの方に違いあるまい!」 遥か遠くの教室から竹田の叫び声とともに、廊下 を走りぬけるぱたぱたと言う足音が聞こえた。
「……方向逆だぞ、竹田」 俺は親切にも、遥か遠くにいる竹田に小声で忠告 してやると、特別教室棟の方に向かって歩き出した。
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